roadbike build!モデラーがロードバイクをバラ完する ~ウレタンクリア塗装編~
大失敗編でございます
実施時期は去年の夏
広い屋内と脚立を借り、ホームセンターで調達してきた幅広のマスカーで養生を行いました
ベース塗装を行ったときと同じ、屋内の広いスペースで塗装です
用意したウレタンクリアスプレー缶は2本、フレーム、フォーク、ハンドル、シートポストに塗装しましたが
天気から塗装するにはちょっと暗くて、スポット照明がほしいレベル
ここまで養生するなら屋外塗装が明るくて正解でした
使用したウレタンクリアは検討の結果、ホルツのウレタンクリアとしました
カーペイント代表格のソフト99製ウレタンクリアはカラーペイント完全硬化前に塗装しなきゃいけないようで、今回の製作工程には合わないと判断、ホルツのウレタンクリアをチョイスしました
クリア層の厚さ確保は足りなかった感があります
膜厚確保と余裕をもった塗装(リスク回避)を行うなら4本は準備しておけばよかったかも
ある程度硬化していることを確認し社内にぶら下げ帰宅(夏場だから硬化反応が早かった)
遠目だといい感じなのですが・・・
・・・異常に気が付きます
おわかりいただけただろうか・・・紙やすりを当てたところ
おわかりいただけただろうか・・・紙やすりを当てたところ
白い部分、全部気泡です
下地がコンニチワではありません、細かい気泡です
これはひどいところの写真ですが、各所に気泡を確認
クリア層がとっても柔らかいおかげか
希望が持てるくらい気泡が落ちた!
あれ?下の層にもまだ気泡があるぞ?
もっと磨くぞ!
はい下地コンニチワ
絶対やっちゃうって途中から想像してましたよ
気泡が面であればマシなのですが、立体的に入っているのでとても厄介
もう後で直すこととして
全体を耐水ペーパーで研ぎ出し
そうすると気泡が目立ちあらたな補修箇所を発見
気泡消し...
気泡消し...
気泡消し...
苦行を経てマットになりました気泡を極力消すのにけっこう研ぎ出ししたのでクリア層はかなり薄くなってしまっている状況、もはやリカバリーとは言えない品質
唯一の救いは、ゆず肌になった層までは気泡が及んでいないことくらいも、そもそもゆず肌層はパラ吹き複数回やっただけの厚塗り前処理だから、前記の通り薄く耐久性はあまり見込めません
ラッカークリアならここからもう一層塗装といきたいところですが、ウレタンクリアは原則として硬化後の塗り重ねは出来ません
クラックが発生したり溶着ではないため面で浮く可能性が高いからです
考察してゆきます
ゆず肌になった原因
これはもう一つしかありません
夏場(気温が高く湿気も高い環境)に塗装したため、硬化の化学反応が早かったからと推察されます
この層に気泡は入っていません
気泡が混入した原因
研ぎ出し前提でゆず肌のまま層を厚くしていけばよかったのですが、つい吹きっぱなし仕上げの欲が出て、ラッカークリアと同じ感覚で近くで吹きすぎたのではと考えました
噴射口ノズルを塗装する表面に近づけるほど塗装面積が狭まり、当然その分吹き付ける圧が高くなりますので泡立ち、塗材の粘度が高いかつ、ウレタンクリアは化学反応で表層から硬化ではなく全体的に硬化していくので泡は閉じ込められてしまうメカニズムかと
ウレタンクリアは細かな気泡が入った時点でアウト、ミリ単位の気泡なら硬化前ならケガキで突くことで空気を抜くことが出来る可能性がありますが、細かな気泡はお手上げ
そして、気泡が混入したことに気が付かない明るさだったことも大きな一因です(塗装吹付け先がはっきり見えない明るさ)
そしてもうひとつ、考えられる原因があります
それは、夏場の気温と、ホルツのウレタンクリアスプレー缶の特性です
ウレタンクリアースプレー缶はスプレー缶の中の2液を塗装直前に撹ぜる仕組みなのですが、どうも缶の中の塗料が少なくなった時に出た可能性も考えられるのです
これは、缶の上部に気温と圧力の関係から気泡が発生、もしくはガスが混入、スプレー缶は底の塗料を吸い上げますから、気泡が発生していれば最後の方でこの気泡が噴射されることになります
ありえなくはない現象ですが、可能性的には近くで塗装しすぎたほうが有力なので推察の域は出ません
リスク回避という点で、スプレー缶の残量が少なくなってきたなと感じたら新しいスプレー缶を使うのも手かなと思います
なお、ホルツのウレタンクリアー缶には、2~30cm離して塗装してね‼︎と書いてありますが、このくらい離して塗装すれば気泡が缶内で発生しても飛沫中に分解され泡立つこともないのかもしれません
一つ言えることは、書いてあることはきちんと守ってね!!
(この失敗後、ヤフー知恵袋とか色々見て回りましたが、同じ現象が起きている事例はやはりあるようでうね)
ホルツのウレタンクリアーについての私見
研ぎ出しした感想から、ラッカークリアかと思うくらい柔らかいです
柔らかいという表現はいささか適切ではないのですが、硬度は意外と低い感触です
何故かというと、コンパウンドで簡単に研ぎ傷が消せてしまうから
模型脳でお話しますと、研ぎ出しコンパウンドがけができるフィニッシャーズのウレタンクリアGP1のほうが硬く研ぎ傷を消しにくい
どうせ研ぎ出しするんだったらフィニッシャーズのウレタンクリアGP1か鬼硬のGP2使って所有しているエアブラシでちまちま塗装すればよかったかな
ウレタンシンナーで薄められるし、気泡対策も出来たはずなんです
ただ、エア圧と吐出量、塗料を入れるカップの大きさと何もかも足りないからこれはこれで絶対失敗してる気がする(汗)
ホルツのウレタンクリアは缶スプレー1本でウレタン塗膜が作れるので扱いやすいですし適材適所、用法用量を守って正しくお使いください!ってことですね
ウレタンクリア塗装の総括・備忘録
防じんマスク必需
風通しの良い環境で行う
明るい環境で行う
ウレタンクリアスプレーはケチらず予備も用意する
(フレーム、フォーク、ハンドル、シートポストで4本)
缶スプレーのウレタンクリアは使い切ろうとせず、軽くなったら新しいものを使う
無理に吹きっぱなし仕上げにしようとしない
使用方法はマジで守るマンで!
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