ミニカー、表面にクラック発生していませんか?
所有しているミニカーで、劣化対策していても年代に関係なくいわゆる普通の白のミニカーに発生しています
今回はその原因の考察と処置(補修)を記録致します
◆考えられる原因
第一の原因
経年劣化による熱膨張、収縮の繰り返し(ダイカストと塗膜の熱膨張、収縮比が異なる)
第二の原因
塗膜の乾燥により粘りがなくなり上記の熱膨張、収縮比に追随出来なくなる
第三の原因
下地のダイカスト自体にクラックが発生する(もうこれはどうしようもない)
第四の原因
塗装の種類によって強度(粒子の繋がり)が異なる
特筆すべきことは第四の原因です。昔作ったメタルキットの白も経年でクラックを起こしましたが、当時、プロモデラーのお方から白は弱いからクリアか他の色を少し混ぜるといいとのアドバイスを頂いたことがあります。過去のミニカーコレクションでクラックが発生しているのは普通の白ばかり(例外として、マルボロレッドなど顔料と染料の材質の違いによりクラックが発生することもあります)
とにかく、コレクションに熱くなっていたあの頃のミニカー、並んで買ったあの頃のミニカーにクラックが出ていたらショックなわけですよ
タッチアップは補修痕がちょっと目立ちすぎるし目立たなくさせるには難易度が高いかつ時間が掛かる(かつ説明が面倒くさい)そして完全に直す方法はリペイントしかない
そんなこんなでここでは分解せずに比較的、楽に直す方法をご紹介致します
◆方法その1 ラッカーシンナー(リターダー入り)で周囲の塗膜を溶かしのばす
用意するもの
ラッカーシンナーリターダー入
先の細い筆
塗料皿
方法
塗料皿にラッカーシンナーを入れ、筆にシンナーを含ませクラック部にちょんちょんとシンナーを乗せる
少ししたら先の細い筆でクラック回りを複数回軽く撫でてみる
筆に白い塗料が付きだしたらクラック上部に塗料を誘導していく
一旦乾燥させて様子見
同じことを繰り返す(但し、溶かしすぎて塗膜が凸凹するので2~3回まで)
メリット
溶かしやすい
リターダー入のため、乾燥後は比較的塗膜表面が平坦になりやすい
デメリット
臭気有り
溶けやすいため、溶かしすぎに注意する必要がある
くれぐれもデカールに付着しないようにする(デカールが即溶ける為)
【ラッカーシンナーを使用したビフォーアフター】
◆方法その2 デカール剛力軟化剤で周囲の塗膜を溶かしのばす
用意するもの
デカール剛力軟化剤
先の細い筆
方法
デカール軟化剤をクラックに乗せて少ししたら先の細い筆でクラック回りを複数回撫でてみる
筆に白い塗料が付きだしたらクラック上部に塗料を誘導していく
一旦乾燥させて様子見
同じことを繰り返す
メリット
臭気無し(ちょっとはある)
デカールにかかっても乾燥するまで触らなければOK
デメリット
気温が高くないと溶けない
塗装が玉になりやすい(溶けきれていない部分が粒になる)
溶かした塗膜が乾燥した後、表面が波打ちやすい
上記2つの方法とも、完全にクラックを埋められるわけでは無いため光の角度でクラック跡が見えるので妥協が必要ですが、まじまじ見なけりゃわからないし、昔買ったミニカーを一つ一つじっくり眺める機会にもなるので良いのではないでしょうか。
合わせて、劣化対策も施すことをおすすめいたします!
過去のミニカー劣化対策記事
デカール軟化剤とリキッドデカールフィルムでミニカーデカールを保護する
コメント